11月第2週〜第3週にかけて、世界市場は再び「金利・インフレ・通貨動向」を軸に大きく揺れ動く可能性があります。
米国政府閉鎖が続く中、投資家の関心はFRBの発言、日銀のスタンス、インフレ指標、雇用データへと移っています。
ここでは、来週の主要イベントを分野別に整理し、各市場への影響をまとめます。
為替、株式、仮想通貨、そしてゴールド市場までもが連動する可能性があり、
トレーダーにとってはポジション管理とタイミング戦略が試される週となります。
来週の主な経済指標・要人発言
日付 指標／発言 影響範囲
11月11日（月） 日本・実質賃金、サービスPMI確報値 日銀政策観測、円相場
発表予定：08:30〜09:00（JST）
注目点：日銀政策観測、円相場への影響
賃金が予想を上回れば、日銀が「金融緩和修正」に動く思惑 → 円高要因
逆に弱ければ、金融緩和長期化 → 円安・株高の可能性
サービスPMIは景気体感を測る重要データ。景気回復が確認されれば輸出関連株に追い風。
11月12日（火） 米国・消費者信頼感指数、FOMCメンバー発言 為替、米国株
発表予定：23:00（JST）
注目点：ドル円、米国株、金利見通し
消費者信頼感が強ければ「景気堅調→利下げ先送り→ドル高」
弱ければ「景気減速→利下げ観測→株買い／ドル売り」
FOMCメンバーの発言次第で短期金利先物・ドルが大きく動く可能性。
11月13日（水） 米国・CPI（消費者物価指数） インフレ動向、金利・ドル
発表予定：22:30（JST）
注目点：世界市場最大の焦点。インフレ動向・金利・ドル相場に直結。
予想上振れ → FRB利上げ再燃懸念 → 金利上昇・ドル高・株安
予想下振れ → 利下げ期待 → 株高・ドル売り・BTC上昇
CPI結果は、BTC・金・NASDAQ・ドル円すべてに影響を及ぼす「週最大イベント」。
11月14日（木） 米国・失業保険申請件数／小売売上高 景気減速懸念、ドル円、株式
発表予定：22:30（JST）
注目点：景気減速懸念、ドル円、株式市場
失業申請が増加すれば景気鈍化シグナル → 株安・ドル安リスク
小売売上高が堅調なら、消費の底堅さを確認 → 金利高・ドル高要因
為替だけでなく、S&P500や日経先物にも波及する可能性。
11月15日（金） 中国・鉱工業生産／欧州GDP改定値 リスクオン／オフ要因
発表予定：12:00（JST・中国）／19:00（JST・欧州）
注目点：世界の景気リスク、リスクオン／オフの分岐点
中国データが予想を下回れば、コモディティ・アジア株下落、リスクオフへ。
欧州GDPが悪化すれば、ユーロ売り・ドル買い・金上昇へシフト。
全体的に「世界成長懸念 → 株安 → BTC反発」など逆相関の可能性あり。
随時 FRB理事／日銀要人発言 金融政策見通し、リスク感応度
時間未定（複数日）
注目点：政策見通し、リスク許容度の変化
パウエル議長をはじめ、複数のFRB理事が講演予定。
「利下げは時期尚早」などのタカ派発言が出ればドル高・株安要因。
日銀幹部から「賃金動向次第で柔軟対応」などの発言が出れば、円急騰リスクあり。
為替市場（ドル円・クロス円）
ドル円は依然として154円前後で推移しており、
来週の焦点は「米CPI」「FRB発言」「日本の賃金データ」に移ります。
CPIが市場予想を上回れば：インフレ再燃 → 利上げ観測 → ドル買い・円売り
CPIが弱ければ：利下げ観測 → ドル売り・円買い
また、日銀の植田総裁によるコメント次第では、
円安抑制のための追加政策示唆が出る可能性もあります。
為替相場は米金利と連動しやすく、「CPI → 金利 → 為替 →株式」の連鎖に注意。
日本株市場
円安進行による輸出企業（トヨタ、ソニー、任天堂など）への追い風が続く一方、
国内消費関連株は円安コスト増で上値が重い。
来週発表の実質賃金・物価データが弱ければ、日銀の利上げ後退観測→株価押し上げ要因に。
半導体・インバウンド・金融株など、外需関連中心の物色が続く見通し。
米国株市場
最大の注目は米CPI（消費者物価指数）。
→ 強ければ金利上昇→株安圧力、弱ければ利下げ観測→株高の可能性。
FRB要人の発言も多数予定されており、「早期利下げ」への言及があればNASDAQ中心に買い戻しが入る可能性。
一方、政府閉鎖の長期化懸念が投資心理を冷やしており、ボラティリティ上昇が続く見込み。
ゴールド（XAU/USD）
ゴールドは、「金利・ドル・インフレ期待」の3要素に直結。
来週のCPI結果が最重要イベントとなります。
CPIが強ければ → 実質金利上昇 → ゴールド売り圧力
CPIが弱ければ → 利下げ期待 → ゴールド急反発の可能性
米金利上昇とドル高局面では下値を探る展開だが、
地政学リスク（中東・欧州）や株式の調整が出ると安全資産としての金買いが入る。
また、米政府閉鎖・債務問題が長期化する場合、
「ドル信認低下 → ゴールド代替需要」が中長期で高まりやすい。
現在の想定レンジ：2,420〜2,490ドル／オンス
仮想通貨市場（BTC・ETH）
ビットコインは10万ドル前後の節目を巡る攻防が続く。
米金利やドル指数に反応しやすい地合いで、CPI結果がリスクオンなら上昇、
リスクオフなら短期調整の可能性。
ETF関連ニュースや米機関投資家のフローも引き続き注目。
金融市場全体が混乱している局面では、「安全資産」としてのBTC買い戻しが起きやすい。
アルトコイン市場
市場全体のセンチメントに大きく依存。BTCが10万ドルを再突破できれば、
ETH・SOL・AVAX・XRPなどが一斉に反発する可能性。
特にETH（イーサリアム）はステーキング報酬増・L2拡大期待で注目度上昇。
一方で、米SECの規制発言・流動性低下による急落リスクも継続。
総括：リスクとチャンスの週
来週は「インフレ指標×中央銀行発言×為替変動」が重なる週。
リスク回避の動きと投機的な値動きが交錯しやすく、
特に為替と仮想通貨では短期的な乱高下に警戒が必要です。
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